採用する側の本音を知ることで転職の失敗は避けられる

「こんな経歴じゃ、うちとはマッチしないね」

そう吐き捨てられ、書類時点で却下され、面接に進むことすら出来ない求職者が増えてきています。

企業側は誰にでも面接してくれる訳ではありません。

なぜなら採用面接にはコストがかかるからです。

多くの会社は面接官を2人、人事担当者を1人つけることが多く、またコンサルタントやエージェント、候補者との日時のアポなどをする必要があり、その手間は決してタダではありません。

ですので、書類の時点で一社の在籍期間や所属してきた企業、そこでどんな業務を行ってきたか、またどんなポジションを経験したか、そういった様々観点から求職者をふるいにかけています。

書類の時点ではヒューマンスキルは関係ありません。

また、コンサルタントからの求職者の推薦として「誠実なお人柄で~」云々と持ち上げの言葉が入っていることもありますが、そのようなものはほとんど参考にしていません。

大切なのは「魅力的な履歴書/職務経歴書」かどうかです。

書類で一度はねられると再度挑戦できない企業もたくさんあります。

このことを知っておかないと、魅力的ではない書類で応募を重ねた結果として、応募できる企業が少なくなっていき、妥協した企業にしか応募できなくなってしまいます。

「いつでも転職できるでしょ、だって、転職市場は売り手市場なんだから」などと考えている人は、その考えを今すぐに捨ててください。

いかに売り手市場ではあっても魅力のない人材を採用するほどではないのですから。

企業のフィルターを知ろう

転職回数

転職は以前に比べて、かなり身近になってきました。

昔は数社転職を重ねているだけで足切りされていた時期もありましたが、転職するということが前向きに捉えられるようになっています。

しかしながら、大手はまだまだ難しい状況です。

転職回数にこだわることが多いのは、大手企業の人事担当や採用担当がそもそも転職を経験したことがないせいで、転職を何度も繰り返す人は信用できない、といったような思い込みを持っています。

転職したことがある=会社への忠誠心が薄い、また転職をしそう、という構図は未だに根強く、就職とは新卒で入社し、定年まで勤めることである、と考えている人たちがまだまだいることが窺えます。

そのような凝り固まった考えをもつ人たちは面接でこう訊いてきます。

「どのようなときに転職をお考えになりますか?」

この質問にうまく答えられず、面接官が「どうせまた転職しそう」という理由でお見送りにするケースも増えています。

採用にはコストがかかりますし、入社してからも教育に時間もお金もかかります。

よって採用したら長く働いてほしい、という気持ちは誰しもが持っていますが、企業だって永遠に存続できる時代ではありません。

要するにお互い様なのです。

ベンチャー企業や外資系企業は転職回数にはおおらかですが、30代で10回の転職を重ねている、などですと厳しくなるでしょう。

また、一つの会社を1年未満で辞め、それを繰り返していると履歴書の印象はかなり悪くなります。

そういった経歴を持つ方は面接に進めた場合、きちんと退職理由を話しておく必要があります。

「会社が自分に合わないと思ったので辞めました」という答えは最悪のケースです。

面接官が許容できる内容としては「会社の事業が傾き、退職を促されました」という理由や「入社前に伝えられていた内容と業務内容が全く違い、頑張ってはみましたが難しい状況でした」などように、個人的な理由でない方が良いです。

しかしながら、あまりにも「会社が傾いて」を繰り返すと「運がない人」のように捉えられかねないので要注意です。

単に吸収合併や買収などで所属企業が変わったりして転職回数が多く見えてしまうケースもありますので、そこはきちんと伝わるように書類に記載することも重要です。

学歴フィルター

学歴フィルターという言葉がありますが、これはある特定の大学出身者しか採用しない、という企業のことです。

新卒採用ではこれだけで書類を落とされてしまうケースもありますが、実は中途採用時にもこれは存在しています。

しかしながら、最近は学歴を気にしない企業も増えてきました。

なぜかというと、日本の大学は入るのは難しいのですが、卒業するのは簡単だからです。

欧米の入るのは簡単だけど、出るのが難しいというのとは真逆ですね。

ですから、どのような大学を出ていようと、もしくは高卒、中卒であろうと気にしないという企業も存在します。

こればかりは今からはなんともなりませんが、高卒、中卒でも組織のトップに立っている会社はたくさんあります。

諦めないようにしましょう。

職務経歴書の細かさ

職務経歴書の内容をよく精査する会社もあります。

職務経歴書の書き方が下手な人は3年のような長いプロジェクトに参画していた場合でも、たった一行で済ませてしまうケースがあります。

こういった職務経歴書は好まれません。

なぜなら、3年という長い月日の中でやったことが一行に収まるのだとすると、この人は何もしていないのだな、などと判断されてしまうからです。

できるならば、その3年の間にどのようなことがあり、どういった問題が発生し、どう解決したか、まで詰め込めるとベストです。

採用担当者が知りたいのは「あなたがそのプロジェクトに参加していたこと」ではなく、「そのプロジェクトにおいてどのような貢献をはたしたか」ということだからです。

その為、そのプロジェクトにおいてどのような役割を果たしたかをきちんと書いておかなければいけませんし、その重要さが伝わるものであることが重要となっています。

転職はやり直しがきかない

転職で失敗してもやり直しがきく、そう考えているでしょうか?

転職に失敗する理由はそれぞれたくさんあるでしょう。

中にはやむを得ない理由でそういう結果になってしまったケースもあります。

しかしながら、その弁明すら与えられないこともある、というのが転職市場なのです。

その弁明の場である「面接」に進むためには採用担当者が会ってみたいと感じるような書類を出さなければなりませんし、キャリアがボロボロになっている場合、書類に嘘を書くことはできませんから、書類の段階でかなり不利な状況になっていることを認識しなければなりません。

「転職」を軽く考えていると、短期の転職を繰り返してしまい、自分で自分のキャリアをボロボロにするという、取り返しのつかないことになるケースも多々あります。

絶対成功する転職などというものは存在しません。

失敗したら修正すればいい、そうは考えるのが自然ではあるのですが、中には全く修正できないこともあることを知っておいて欲しいのです。

残念ながら、現代では一度汚れてしまったキャリアをクリーンにする方法はありません。

ですので、転職に関してはしっかりと考え、自分の意思できちんと行う必要があります。

転職市場においては自分の価値を決めるのは他人の眼であることを意識して行動してください。