転職は家族の運命を変える行為である

最近、アメリカ就職に失敗した話というエントリが話題となりました。

アメリカの企業に内定をもらったが、就労ビザが取得できず断念したというお話です。

この方は奥さんと4歳と0歳の子供がおられる状況でアメリカの企業への就職にチャレンジし、内定まで取られて素晴らしい方だと思いますが、採用担当者の観点から言えば失敗して良かったのではないかと考えています。

なぜなら、家族を連れて渡米し、さらに生活を継続するというのは非常に難しい話だからです。

「転職に失敗した結果、妻と娘が出ていってしまったんですが、どうしたらいいでしょうか」

これは、実際の求職者から受けた相談になります。

失敗、というのは単に「転職できなかった」という意味ではなく「転職したが合わなかった」ということなのです。

もしあなたが家族を持っていて、転職することを家族に黙っているとしたら、それは絶対に間違いです。

転職先の企業が決まって突然「辞めることにしたから」などと言い出したら家族はびっくりするでしょう。

必ず事前に相談してください。

また、彼氏、彼女がいる状況でもできるだけ伝えておいた方が良いでしょう。

転職は生活スタイルが変わることも多く、親密にしている人たちとの関係値も壊れがちだからです。

しかしながら、このようなアドバイスをしてもなお、奥さんに黙って転職を決めてしまう人がいます。

そういう人は決まってこのような返事をします。

「うちの嫁は、私が決めたのであればそれについてきます。だから、心配ありません」

しかし、これは大変危険な行為です。

伝えた方が良い、と再三言ったにもかかわらず、頑なに奥さんに伝えずに転職を強行し、そのまま離婚までいったケースもありました。

この時は、求職者の方が未経験の業界に飛び込みたいということもあり、かなり冒険的な転職であったことも理由です。

未経験業種であったために月の手取りが下がってしまい、さらに直近の会社の業績が芳しくなかったため、賞与もカットされてしまいました。

(元々、転職したてでしたので、雀の涙であったようですが)

家計の財布を握っていた奥さんは、生活がかなり苦しくなり、喧嘩が絶えない日々になったそうです。

慣れない環境に身をおいた旦那さんも仕事に早く慣れなければ、というプレッシャーからストレスを抱え、売り言葉に買い言葉で離婚という話が持ち上がり、そのまま突き進んでしまったそうです。

このように転職によって環境が変わると、それにあわせて私生活も大きく変わってしまうことになります。

特に将来を見据えて家計の計算をしている女性にとっては「未経験の業種」「手取りが下がる」などということは強い不安要素でしかありません。

なぜ安定した環境を捨てて転職を考えるのか全くわからないのです。

このケースでは男性が働いていた業界は確かに右下がりで、その業界にしがみついていれば一緒に沈んでしまうかもしれない、それであれば転職できるうちに未経験の業種の経験を積んだ方がいい、という考えで転職を行ったのですが、きちんと説明をしてなかったことが問題だったのです。

離婚したあと、その男性は環境にも慣れ、出世もし、元いた企業の給与を超える給与を得られるようになりましたが、夫婦間は修復されませんでした。

「給与も戻ったし、あんなことで切れて離婚するなんて馬鹿だよ」

と零しておられましたが、最初からちゃんと説明して納得してもらっていればこのようなことは起き得なかった筈なのです。

相談するときは「運命を共にする相手」にする

今の自分の状況に危機感を憶え、企業から内定が出たとします。

条件面も希望給与に達しており問題ありません。

転職活動が報われた瞬間ですが、そこでしなければならない重要な決断があります。

「果たしてこの内定を受託するべきかどうか?」

です。

もしかしたら、この内定を得たことで現職と給与交渉ができるかもしれません。

もしくはもっと良い企業から内定がでるかもしれません。

本当にこの会社に決めて良いのでしょうか?

あなたの運命の分岐点はここなのです。

この時、奥さんや親密にしている相手に相談するのが一番です。

内定を取った状況というのは一種の興奮状態で冷静な判断ができないことが多いです。

また、急に弱気になってしまうケースすらあります。

こうした状況で自分の背中を押してくれる人に自分の考えを話してみるのは非常に重要なことです。

しかしながら、親密ではない相手に相談するのは止めてください。

知人や同僚などが良い例ですが、彼らにとってあなたの転職は他人事です。

あなたの人生が良くなろうと悪くなろうと関係ありません。

ですから、相談する相手は家族のような運命共同体、もしくは、将来家族になることを考えている相手であるべきです。

相談するべき人生を共にする相手がいない場合は、自分で決めてください。

独り身であれば自分の人生は自分で決めるもの、それで構いません。

自分の人生の身の振り方を知人などに相談して、アドバイスを貰った人は正しい選択ができなくなります。

また、転職に失敗した場合も「あの時、あいつがあんなこと言ったから」などと他人のせいにしがちです。

自分が歩く道は自分で決めましょう。

また、それを相談するのは自分と人生を共有しようとしている相手とだけにしましょう。