転職面接の最後で内定を勝ち取るための逆質問の秘訣

「最後に、何か質問はございますか?」
これは面接の定番の締めとも言えます。

私も面接官として何百回としてきた質問です。
しかしながら、実のところあまり良い逆質問をしてくる候補者はいません。
こちらの質問が一通り終わり、気が抜けたのか他愛のないことを訊いてくる候補者が大半なのです。
また、質問の意図を理解せずここまで好印象で来たのにもかかわらず大きな減点をされてしまう方すらいます。

よって、このタイミングで面接官の心を掴む逆質問ができるとすると、それは相当良い印象になります。
このページでは、面接官として、転職コンサルタントとして、多くの転職者と面接をしてきた知見と経験を元に、面接を締めるのにふさわしい逆質問のコツと秘訣をお教えします。

ほとんどの候補者がされる逆質問

逆質問というのは、まず100%訊かれる質問です。
かつ、その人の能力を試す重要なパートとなっています。

特に合否が別れるパターンでこの逆質問が良くも悪くも決定打になってしまうことが多いのです。
逆質問の失敗事例をお教えします。

  • 「特にありません」と答えてしまう場合
  • 「はい」「いいえ」でしか返せない質問
  • 自分で調べればわかる質問
  • 面接中に既に話したことに対する質問
  • 答えられない(答えにくい)質問
  • 待遇に関する質問

「特にありません」と答えてしまう場合

これは最もやってはいけない返答です。
面接が終わりにさしかかり、頭が真っ白になっているか安堵して気が抜けているかのどちらかで、何も質問できない方が多いです。
しかし、これでは応募企業に興味がない、もしくは働くイメージが持てていない、と判断されます
「ありません」と答えたとき面接官は「本当にうちに興味があるなら、訊きたいこといっぱいあるよね」と感じています。

また、興味の他にコミュニケーションに問題がないかも見られています。
実際の業務に入ったときに「わからないことはない?」と尋ねたときにどのような反応をするのか確認したい、そういった意図もこめられているのです。

ですから、絶対に「特にありません」と返すのだけは止めてください。

「はい」「いいえ」でしか返せない質問

「はい」「いいえ」で答えられる質問はクローズドクエスチョンと呼ばれ、話が発展しませんし、何が知りたいのか伝わりません
例えば、
「仕事は楽しいですか?」
「やりがいは感じられますか?」
というような質問の仕方がそれです。
これでは「はい、楽しいですよ」「はい、やりがいを感じますよ」で終わってしまう可能性があります。
「どのような時に仕事が楽しいと感じますか?」
「仕事をする上でやりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか?」
などのように具体的な質問をしましょう。

自分で調べればわかる質問

これもよくあるパターンです。
質問が思いつかず、とっさに思いついたことを口にしてしまうからです。
「社員数はどれくらいでしょうか?」
「どんな商品、サービスを扱っているでしょうか?」
「御社の企業理念はなんでしょうか?」
などのように自分で調べればわかるような質問をしてはいけません。

これは「私は御社について興味がないので調べていません」と言っているのと変わりません
質問するのであれば、
「主力のサービスである○○ですが、どのような点が他のサービスに比べて優れているとお考えでしょうか?」
のように、企業について調べていることをアピールしつつ、仕事に関して興味を持っていることも伝えるべきです。

面接中に既に話したことに対する質問

これは面接中に既に話題にあがったことを繰り返し質問してしまうことです。
「この人、話を聞いていなかったな」という印象を与えてしまうので絶対にやめてください。
質問をメモしておいた候補者が、面接の中で質問に対する答えが出てしまったのにもかかわらず、そのまま読み上げて訊いてしまうケースもあります。

答えられない(答えにくい)質問

面接官が答えられない、もしくは答えにくい質問をしても印象が悪くなります。
例えば、現場の人間に関して「御社の今後の経営戦略について教えてください」と訊いてしまうケースや、
経営層の方に「実際に現場で働いている人の1日の仕事の流れを教えてください」と尋ねてしまうような場合です。
また、一般消費者向けのサービスを展開している会社に対して今後の新機能などを訪ねるなど、顧客の立場で質問することもいけません。
私が担当したケースではゲーム会社の面接で「今後このキャラクターは登場しますか?」という質問をされた方がいました。
そういった業務に関係のないことを質問してはいけませんし、ただのミーハーな人と受け取られます。

待遇に関する質問

ここも気になることでしょうが、面接ではしてはいけません。
「残業はどれくらいあるでしょうか?」
「休日はとれるでしょうか?」
「賞与はちゃんとでるでしょうか?」
「福利厚生はどんなものがありますか?」
これらの質問は、会社選びのポイントとして文化や仕事内容よりも、待遇面を重視しているという印象を強く与えてしまいます。
これらの質問はエージェントを通してするべきですし、内定を得てからでも構わないことなので面接でするのは止めておきましょう。

面接前に準備するべきポイント

面接に必要なのは何よりも準備です。
では、どのような準備をするべきでしょうか?

質問するべき事項をメモしておく

思ったよりもうまく面接が進められなかった、と意気消沈している候補者にありがちなのは何を訊くのかをすっかり忘れていることです。
逆に手応えを感じて油断しているケースもあります。
メモを出していても面接官は気にしませんから、きちんと事前に質問をメモして面接に挑みましょう。
また、質問に関しても効果的な質問をするように心がけなければなりません。
これはまたこの後で詳しく説明します。

面接官の立場別に適切な質問を用意する

先ほどの面接官の立場ではわからないことを訊いてはいけません。
「人事担当者」「現場責任者」「役員/社長」といった相手の立場によって、訊ねるべき質問、有効な質問は変わってきます。
こちらも後で詳しく説明します。

複数の質問を備えておく

面接中のやりとりで用意しておいた疑問が解消してしまうケースもあります。
その場合、同じ質問を重ねるわけにもいかず「特にありません」という返答になってしまい面接に失敗したケースもありました。
ですから、あらかじめ複数の質問を考えておきましょう。
できれば、5つは用意しておきたいものです。

質問は2つ以上する

逆質問はあなたを印象づける最大のチャンスです。
面接時間をあまり気にせず2つ以上の質問をするべきです。
複数の質問が重なればより印象を強めることができますし、なによりあなたが会社を推し量れる重要なタイミングです。
最後の質問で「こいつこんな質問をするなんて面白いし熱意のあるやつだな」という印象を持たれ大逆転したケースもあります。
とはいえ、何でもかんでも質問して時間を消費しすぎないように気をつけてください。
「空気を読めない奴だ」と思われては元も子もありません。

どのような逆質問をするべきか?

  • 意欲を伝えるための質問
  • 成長意欲を感じさせる質問
  • 会社への共感度の高さを感じさせる質問
  • 面接者の立場別に効果的な質問

意欲を伝えるための質問

「入社後にすぐに貢献できる仕事やプロジェクトはありますでしょうか?」
「もし入社できた場合、配属される予定のチームの1日がどのようなものか教えていただけますか?」
「私と近しい経歴で活躍している方がおられたら、その方の働きぶりや強みなどをお聞かせ願えますか?」
「入社までに勉強すべきことや、やっておくべきことがあれば教えて戴けますか?」

これらの質問はあなたが入社をイメージしていることを伝えるための質問です。
「もし入社できたら」という入社後の具体的な仕事の中身について訊ねることで「御社で仕事がしたいのです」という気持ちが伝わります
「配属先のこと」や「入社までに準備すべきこと」について訊ねると特に好印象です。
ただし、内定が出る前に「○○プロジェクトに参加できますか?」などと確認するのはやめましょう。
配属は会社側が考えるものです。
この質問をすると「○○プロジェクト以外はやる気がないのかな」という印象を持たれます。

成長意欲を感じさせる質問

面接官は面接の中であなたのスキルや人柄について確認を行ったはずです。
そして、さらに言えばあなたが入社してから成長するかどうかを見極めたいと考えています。
ですから、入社してからももっと成長するのだということをアピールするのも有効です。

「私のスキルや経験で不足に感じたところがあれば教えて戴けますでしょうか?」
「皆さんは活躍するためにどのような勉強の仕方をされているでしょうか?」
「御社で活躍するためにさらに努力したほうが良い点があれば教えてください」

このように謙虚な姿勢でこれからも成長していくのだと伝えることで、より高い評価が得られます。
間違っても自分の能力の高さを示すような自慢話をしてはいけません。

企業への共感度の高さを感じさせる質問

内定を出すかの判断基準の中に「会社に合うか」ということがとても重要になります。
この共感度が低いと「この人はスキルもあるし経験はいいけど、うちに合わなさそうだな」という理由で落とされかねません。
ものすごく高いスキルを持っているのにもかかわらず面接の突破率が低い方は、この共感度が低いことがほとんどです。
では、どのような質問をすべきか見てみましょう。

「御社のミッションである○○を実現するために、どのような事が求められるでしょうか?」
「皆さんは会社の魅力や仕事のやりがいをどのように感じておられるでしょうか?」
「御社の課題について、私が貢献できそうなことがあれば教えてください」

この質問は何も面接官に媚びろというわけではありません。
面接はあなたの能力を企業に伝える場でもあり、あなたが働くに相応しいかを見極める場でもあります。
質問を投げかけることで一緒に働くことになるであろう面接官の能力を知ることも大切です。
面接官が曖昧な答えやあなたの考えに合わなさそうな答えを返すようであれば、そこはあなたが働くべき場所ではないかもしれません。

面接者の立場別に効果的な質問

では、面接者の立場別に効果的な質問を見ていきましょう。
面接には「人事担当者」「現場責任者」「役員/社長」という立場別の面接官がいることを忘れないでください
面接の場で面接官が自己紹介することが多いですが、されなかった場合は「どういうお仕事をされているのか訊かせて戴いてもよろしいでしょうか?」と確認しても構いません。

人事担当者

人事部は現場のことを熟知している訳ではなく、経営に関しても詳しいわけではありませんから、人事がフォーカスしている分野である「人材」に関する質問をしましょう。
その会社が人材に対してどのような考えを持っているか、取り組みをしているかはあなたにとっても非常に重要な要素です。

「人事からみた、御社らしさを訊かせてください」
「企業理念を実現されるために、どのような取り組みをされていますか?」
「社員同士のコミュニケーションを活発にするために、実施されていることがあれば教えてください」
「上長に会社を良くする仕組みを提案したい場合、御社ではどのような提案の仕方があっていますか?」

このように人事側には人を意識した質問がとても有効です。

現場責任者

面接では入社後に一緒に働く人物として現場責任者が出てきます。
彼らはチームの仲間を探しているので、現場の話にフォーカスすると良いでしょう。
現場の雰囲気を感じたい、自分もそこに参加して頑張りたい、という気持ちを伝えると効果的です。

「○○様(面接官)の仕事の上でお持ちになっている信念を教えて戴けますか?」
「ここをもっと何とかしたい、というチームの課題はありますか?」
「現場の方々は、何を大切に考えて日々仕事をしておられるか教えてください」
「普段の職場の雰囲気はどんな感じでしょうか?」
「プロジェクトの規模、人数、どのような流れで進むのでしょうか?」
「チームに参加したときに、どのようなことに気をつけるべきか聞かせて戴いてもよろしいでしょうか?」

現場の面接官は一緒のチームになることが多い存在です。
ですから、気安い雰囲気になりがちですが、雰囲気に流されず自分もそこで一緒に頑張りたい、ということを伝えてください。

役員/社長

最後の関門が役員面接、社長面接です。
彼らは特に人間性をチェックしていることが多いです。
ですから、ネガティブな物言いは絶対に避けましょう。
時に運などを気にする方も多いため、必ず自信を持って前向きに挑む必要があります。
では、効果的な質問を見ていきましょう。

「今後、御社が成長していく中で、従業員に何を求められるでしょうか?」
「企業理念に共感いたしました。御社のサイトや記事などを拝見させていただくと、社長の○○様が○○というようにお考えになったとのことですが、そのことをもう少し詳しくお聞かせ願えますか?」
「御社のビジネスの特徴は○○にあると理解しております。このような経営方針をとられている経緯を教えて戴けないでしょうか?」

経営者に近い層の方には必ず会社の理念に関する質問をしましょう。
1次面接や2次面接でスキルがチェックされていると考えている上層部の人間が見ているのは「人柄」や「会社に合った人材か」というポイントだからです。
ですから、会社理念に対して共感を示すことと、それを実践するためにどのようなことを求められるのかを訊ねるべきなのです。

最後に

面接の最後の最後であなたを印象づける逆質問に関していかがだったでしょうか?

逆質問は単に何でも質問すれば良いというものではありません。
相手にとって好ましい、答えやすい質問をしなければならないのです。
それと同時に自分をアピールしながら、会社を見極めるための重要なパートなのです。

数多くの面接をしてきた中で多くの候補者はこのパートを重要視していません。
ですが、印象というのは最初と最後が特に重要です。
あなたが面接の部屋を出た後、面接官たちは「通すか?通さないか?」の検討を必ずします。

このときに「あの質問良かったよね」というような理由で面接を通過するケースは非常に多いです。
特にほとんどの候補者が対策していないために印象に残る逆質問というのは大きな加点ポイントとなっています。
ですから逆質問は準備が大切ということを肝に銘じて面接に挑んでください

皆さんが最高の転職ができるよう、心からお祈りしております。