中途採用を行う企業は危ない?課題解決の罠

「こんなレベルの低い会社では働けない!」

転職に失敗した人から良く言われるセリフです。

特に大手企業から規模の小さい会社に転職された方に多い話です。

今までの経験を活かして、キャリアアップのためにしたはずの転職がイメージ通りにいかず、環境のせいにしてしまったケースに良く見られます。
こういった自分が活躍できないことを環境のせいにする方は、更に短い間に転職を繰り返し、キャリアを汚し、あっという間にキャリアダウンしてしまいます。

では、本当にその会社はレベルが低かったのでしょうか?

規模が小さいからといってレベルが低いわけではない

大企業から転職した人が言うこととして「なんでこんなことまでやらなければならないんだ」「なんでこんなことも決まっていないんだ」ということがあります。

要するに大企業では当たり前にできたことが、ベンチャー企業では当たり前ではない、その当たり前でないことを指して「レベルが低い」と言っていることがほとんどなのです。

こういう人たちは転職を甘く見ています。

そもそも大企業も最初からこれらのルールや取り決めがあったわけではありません。

大企業のルールとは長い時間をかけて作られてきたものなのです。

ですから、まだ長い時間を経ていない会社が大企業と同じだけのルールを持つことは不可能です。

また、違う大企業にいけばそれはそれで違うルールが敷かれています。

その人達が経験してきた「当たり前」とは、その会社での当たり前に過ぎないということに気が付かなければなりません。

ここ最近、大手企業もリストラを推進するようになりました。

しかも、日本では気軽に解雇できませんから、大手企業ほど巧妙にリストラを行います。

例えば、別会社を設立しリストラ候補者をそこに押し込みます。

そうすることで給与テーブルを変えられるようになりますから、じわじわと真綿で首を絞めるように給与を下げていきます。

そういった合法的な退職勧告にあい「このままではマズイ」と気がついた人から転職を考えるようになります。

転職を甘く考えてはいけない

『現職では、600万もらっていたのですが、次の会社では同じくらい貰えれば構いません』

『今の会社ではやれることはやりおわってしまいましたから、次、やりがいがある仕事を探しています』

彼らは口々にそのようなセリフを口にします。

こういった発言をされる方は、転職を今までされたことがないんだな、ということがよくわかります。

本来は定年まで会社にいるつもりでしたが、緩やかに殺されていくよりは会社から逃げ出そうと思い、気軽に転職を考えた状態だからです。

給与は同じでもどこか雇ってくれるだろう、次はやりたいことをやりたいから、そういうことができる会社にしよう、という気軽な気持ちで会社を決めようとしています。

一番大切な、自分がどういうことで会社に貢献できるか、という観点が抜けているのです。

大企業で長い間働いてきた人を嫌う会社もあります。

なぜなら、一つの会社の文化にどっぷりと浸かっていて柔軟性がなさそうに見えるからです。

また、このような人は自分の意志をもって転職をしていないため「会社から追い出されたんだろ?」というような色眼鏡で見られるケースすらあります。

妥協して転職してはいけない

「この人、何故この会社を辞めようと思ったんだろう、ここにいた方が幸せなのに……」

面接の後で、面接官がよく呟くセリフです。

そう、転職なんか考えずに今の会社でずっと過ごしていればいいのに、そっちの方が幸せだよ、という同情の気持ちからです。

要するに「この人が他の会社で働けるわけがない」と判断されたことになります。

例えば、40代の課長が転職を考えたとします。

この人がイメージしている転職条件はどのようなものだと思いますか?

  • 給与は少しなら下げてもいいが、応相談
  • 場所は通えるならどこでもいい
  • 次の会社では課長でなくても構わない
  • 同程度のレベルの会社は難しいかもしれないので、妥協しても構わない
  • 今までやりたいことができなかったから、やりたいことができる会社がいい

このように条件ばかりが並べられるタイプは転職に成功しません。

また、「そういえば昔からゲームが好きだったから、ゲーム会社に勤めてみたい」なんていうことを言い出す人すらいます。

中途採用を行っている会社は、中途の方が持っている経験を活かして現状の問題を解決してくれることを望んでいます。

しかしながら、求職者は「どんな会社か」「どんな貢献ができるか」といったことは全く考えず、条件面だけで判断しようとしています。

このように「何がしたいかわからない求職者」は良い会社は採りません。

とりあえず猫の手でも欲しい、といったような入れ替わりの激しいブラック企業に決めてしまい、しかもすぐに辞めるといったようなケースが顕著です。

そういった人は最初に提示していた条件よりもずっとずっと悪い会社に流れ着くことになるのです。

中途採用を行っている企業がシニア層の採用にかなり慎重になっている理由は、このように条件面のみで会社を探しているような、不要な人材を採らないようにしたいからに他なりません。

よって、会社を辞めさせられた多くの求職者は、次の会社が簡単には見つからず、転職できなくなっています。

そして、コンビニバイトや工事現場といったような、きつい肉体労働をすることになります。

シニア層が応募できる条件の会社というのは少なく、そして、どこでも良いというわけではないことを理解しておかなければなりません。

会社を辞めてから次を探せばいいや、というような考えのシニア層も増えていますが、とんでもないことなのです。