年収アップでもキャリアダウン!?選択を間違えた際の悲劇

もしかして「転職によって給与が下がること」をキャリアダウンだと考えてはいないでしょうか?

同様に給与が上がったからキャリアアップだとも言い切れません。

一口にキャリアダウンと言っても様々な意味があります。

ここではどのような流れでキャリアダウンが生まれているのかをお教えします。

あなたが転職を考えて人材紹介会社のエージェントに相談する際、多くのエージェントはあなたの希望やあなたの経歴、その他に関しても特に深く精査することもなく、求人票を渡してきます。

あなたの行いたい転職イメージを把握しておらず、ただただ、あなたの条件に該当しそうな求人票を抜き出し、それを提示するだけに過ぎません。

しかも、その求人票はそのエージェントが現在優先している案件になることが多いです。

そして、優先企業に対してなんとか応募してもらおうと言葉巧みに会社を勧めてきます。

「ここは素晴らしい会社です」

「今、伸び盛りの会社ですよ」

「この会社の経営陣は本当にすごい人ばかりです」

「あまり知られていませんが、業界でもトップの会社なんです」

と、ただただ、会社を褒めちぎり、あなたの人生にとってキャリアアップになるかどうかなんて考えてもいません。

転職理由には以下のような理由があります。(DODAより引用)

  • 他にやりたい仕事がある
  • 会社の将来性が不安
  • 給与に不満がある
  • 残業が多い/休日が少ない
  • 専門知識/技術を習得したい
  • U/Iターンしたい
  • 会社の評価方法に不満がある
  • 土日祝日に休みたい
  • 雇用形態を変えたい
  • 市場価値を上げたい

ここで挙げられている転職の動機をどれくらい改善できるかがキャリアアップに繋がるかどうかなのです。

これらの内容を踏まえていないと例え一時的に給与が上がったとしても転職に失敗します。

相談に来られたHさん(36歳・課長/年収800万)の例を挙げてみましょう。

彼は課長職ではありましたが、現場で手を動かす仕事を好んでおり、自分のスキルが錆びつかないうちにより専門知識を活かして、しかも伸ばせる会社への転職を希望されていました。

しかしながら、粗悪なコンサルタントに担当されてしまい、多くの企業に応募させられてしまいます。

ですが、有能であったHさんは結果として早々に3つの内定を得ることができました。

A:課長職、年収900万。企業側はマネジメントをしてほしいと言っている。

B:専門職、年収700万。企業側は現場を主導してほしい、しかし、異業種のため、年収は様子を見させて欲しいと言っている。

C:専門職、年収800万。企業側は同業種で現場での業務を望んでいる。ただし、マネジメントの手腕も期待されている。

この3つの選択肢で迷っていたHさんですが、コンサルタントはAの企業をゴリ押ししました。

Hさんの手腕を高く買ってくれており、年収も100万円上乗せでこんなチャンスはめったにない、という話をしたのです。

ですが、本来であればHさんは「現場より」の仕事を望んでいた筈です。

ただ、結果としてHさんはコンサルタントに説得されA社への内定を受託しました。

年収が上がったのだから幸せだろう、と考えるのは早計です。

年収というのは将来への期待を込めて設定されるものなので、新しい企業ではその年収の維持が保証されるわけではありません。

Hさんは元職では現場との関係値をしっかりと築いており信頼されていましたから、本来得意ではないマネジメントも回っていました。そうです、実はHさんはマネジメントは得意な方ではなかったのです。

現場での仕事ぶりが評価され、トントン拍子に出世した結果として「課長」という肩書を得ていたのに過ぎなかったのです。

ですから、A社で期待されていたマネジメントは非常に苦戦しました。

現場の気持ちがわかるHさんですが、信頼関係の構築から始めなければならず、現場の状況も元職とは全く異なります。

しかも、ひどいことにHさんが課長になったことで課長になれなかったと感じた部下と折り合いが悪くなり、Hさんの課はさんざんな成績でした。

結果として、Hさんは転職して最初の評価期間に手痛い評価を受けることになります。

「あなたの手腕に期待して給与を設定させていただきましたが、期待通りの成果が出せていないようです。残念ですが、このレイヤでは給与の見直しをさせていただくことになります」

そう言われて、いきなり給与5%ダウンを受けてしまいました。これは次も結果が出せなければ5%ダウンを受ける可能性があるということです。

会社側としてはこれだけの給与を払っているのだから、結果を出すべきだ、出せないのなら給与が下がるのは当然という考えですが、そもそも得意ではない分野に歩織り込まれたHさんにとってはたまったものではありません。

とはいえ、勤め始めてまだ1年ほど、どうして良いのか解らず私のところへ相談に来たわけです。

この場合、Hさんが課長としての適性があるかどうかをコンサルタントはきちんと見極め、他社でもマネジメントを発揮することができるか、をチェックするべきでした。

それを怠り、単に給与だけで会社を決めてしまった結果、スキルとのミスマッチが発生し、Hさんにとっては散々な結果になったわけです。

このような悲劇を回避するためにも、自分が一体何が出来て、何がしたいのかということときちんと向き合うべきです。

単に入社時に給与が上がっても、その後の評価が散々ということになればあなたのキャリアはダウンしてしまうのですから。